IPアドレスから自宅の住所を特定されることはありますか?

IPアドレスから住所を特定されることはあるのか? 答えはノー — IPが実際に明かす情報とは

結論から言えば、答えはノーです。IPアドレスが示すのは、ネットワーク事業者への接続であって、特定の個人や建物ではありません。当サービスであれ他社のものであれ、任意のIPをジオロケーションサービスにかけると、返ってくるのはインターネットプロバイダーの名称とおおまかな地域だけです。しかもその地域は、契約者が実際にいる場所ではなく、そのプロバイダーのルーティング機器が置かれている都市であることが少なくありません。IPアドレスを番地に対応づける公開データベースは存在せず、有料・無料を問わず、それを割り出せる検索ツールも存在しません。

これはご自身で確かめられます。Googleの公開DNSリゾルバーである8.8.8.8をトレースしてみるか、ご自身のIPを確認して、表示された位置と実際にいる場所を比べてみてください。固定回線のブロードバンドであれば都市名が近いことも多いものの、同じくらいの頻度で、数十キロ、あるいは数百キロ離れたプロバイダーの地域拠点が表示されます。

IP検索が実際に返す情報

ジオロケーション検索は、ルーティングの経路情報、地域レジストリの登録記録、プロバイダーが提供するヒントをもとに構築されたデータベースに問い合わせます。返ってくる情報と、それぞれの項目が実際どこまで正確なのかを以下に示します。

項目 わかること 一般的な信頼性
そのアドレスブロックが割り当てられている国 おおむね95〜99%の精度
地域/州 国内のおおよその地域 おおむね55〜80%の精度
都市 契約者の都市ではなく、プロバイダーの拠点都市であることが多い 固定ブロードバンドでおおむね50〜75%。モバイル、VPN、衛星回線では誤りが頻発
ネットワーク事業者 自律システム番号を通じて示される、ISPまたはホスティング事業者 信頼できる — 公開レジストリのデータに基づく
番地・氏名・世帯 何も分かりません。 この情報はいかなるジオロケーションデータベースにも含まれていません どの精度でも取得不可

ここにあるパターンに注目してください。ズームインするほど精度は崩れていきます。国レベルの回答は信頼できますが、都市レベルの回答は自分に有利に傾いたコイントス程度、それより細かい情報はそもそも存在しません。その理由の内訳はジオロケーションの精度のページで、そもそもこれらのデータベースがどう構築されているかについても解説しています。

IPを契約者に結びつけられる唯一の存在

あなたのインターネットプロバイダーは、どの契約者アカウントが、いつ、どのIPアドレスを保有していたかの記録を保持しています。その対応関係が存在するのは、ただ一か所 — プロバイダーの内部システムだけです。プロバイダーがそれを開示するのは、法的手続きに応じる場合に限られます。管轄によって異なりますが、裁判所命令、召喚状、あるいはそれに相当する適法な要求がある場合です。犯罪を捜査する法執行機関はこの経路をたどります。インターネット上の見知らぬ他人にはそれができませんし、どんな検索サイトにもできません。

「お前のIPを掴んだぞ」— 脅しの常套句

ゲームのロビーやチャットルーム、コメント欄で、あなたのIPから住み処を突き止められると誰かが言ってきたら、それは使い古されたはったりです。IPアドレスは技術的で得体が知れないものに感じられるため、自分で検索を試したことのない人には脅し文句がもっともらしく聞こえる — だからこそ通用するのです。技術的に見れば、その主張は誤りです。敵対者が知り得るのはせいぜいプロバイダーの名称とおおまかな地域だけで、それは封筒の消印から漏れる情報と同程度にすぎません。

とはいえ、それでその行為が無害になるわけではありません。この種の脅迫は、技術的な当否にかかわらずハラスメントです。そのアカウントをプラットフォームに通報し、スクリーンショットを保存し、脅迫がエスカレートしたり、あなたに関する実際の詳細に言及したりする場合は、地元の法執行機関に連絡してください。相手に応答したり、自分に関する情報を確認させたりしてはいけません。

あなたのIPが実際にさらす情報

公平を期すために、あなたのIPを手にした見知らぬ相手が本当に知り得ることを挙げておきます。プロバイダーの名称、その接続が家庭用・モバイル・データセンターのホスティングのいずれに見えるか、そしておおよその地域です。事業者名からVPNやプロキシの可能性が高い範囲をヒューリスティックに検出することもできますが、それは「LIKELY(可能性が高い)」という評価にすぎず、決して証拠ではありません。ほとんどの人にとって、これらはいずれも機微な情報ではありません。ただし、プロバイダーが小規模な地域事業者である場合は、座標よりもプロバイダー名だけのほうがあなたのいる範囲を絞り込んでしまうことがあり、おおよその居場所を人に知られたくない方は知っておく価値があります。

本当のリスクはIP検索ではなく、複数データの組み合わせ

人が実際にドキシング(個人情報の暴露)に遭うとき、その手段がIPアドレスであることはめったにありません。匿名性を崩すのは相関です — 複数のサイトで使い回したユーザー名、自宅住所を含む古いデータ漏洩、位置情報のメタデータ付きの写真、公開記録の検索、といったものです。IPから得られる地域は、その連鎖のなかで弱い裏づけ信号の一つになり得ます —「漏洩した住所は、IPが解決する州と同じだ」といった具合です — が、それが住所そのものの出所になることは決してありません。実践的な防御策はおなじみのものです。匿名性が重要な場面ではユニークなユーザー名を使う、データ漏洩を監視する、投稿前に画像からメタデータを取り除く、といったことです。その残余信号が気になるなら、VPNを使えばIPから得られる地域も隠せます。

ご自身の接続が正確に何を明かしているのか確かめたい方は、自分のアドレスでトレースを実行し、見知らぬ相手が見るのと同じ視点でその情報一式を読んでみてください。さらに詳しい疑問はFAQで扱っています。